これぞ本物のオールドスクールだ – Ion Maiden 早期レビュー

3D Realms (Duke Nukem 3D, Prey, Max Payne) is excited to bring back our famous Build engine, which powered Duke Nukem 3D, Blood, Shadow Warrior and other 90's h...

Duke Nukem 3Dの改造エンジン(EDuke32)で作られたFPS「Ion Mainden」のアーリーアクセスが2018年2月28日から開始された。2018年3月現在、実装されているのは始めのゾーンだけとなっており、大体1時間程度プレイできる。完成版では7つのゾーンが遊べるようだ。

ダウンロード販売と高度なゲームエンジンの普及により小規模な開発チームによるインディーゲームがたくさんリリースされるようになった昨今、オールドスクールFPSを宣伝文句にしたものは数多い。なぜオールドスクールを好むのか。それは当時、熱中したゲームのあの感覚を再び味わいたいだとか、レトロだからこそ味わえる雰囲気が好きだからというのもあるのだろう。

なんでもフォトリアル、なんでも高解像度、なんでもリアルにすればみんな好むのかといえばそうではなくて、人にはそれぞれ好みがある。それに実写にもアニメにも3Dにもそれぞれの良さがあり、表現の異なったものを単純に比較はできない。粗目のテクスチャによって作られたマップやアニメーションだからこそ表現できる良さもある。DOOM(2016)にDOOM (1993)の代替はできないのだ。

だが、オールドスクールと謳っていても見た目はそれっぽいがレベルデザインやゲームデザインは全然だったりとなかなかポイントを押さえたものは無かったりする。DOOMやDuke Nukem 3Dといった今でも語り継がれているゲームは大雑把なように見えて計算された絶妙なバランスや作り込みで成り立っており、やはりそれらの名作に匹敵するものを作るのはなかなかに難しいのだ。

Ion Maindenは改造エンジンを作るほど当時のFPSが好きな人達によって作られた正真正銘のオールドスクールFPSである。Dukeの精神的後継作と言っても決して過言ではなく、あの当時のFPSが好きだった人はとりあえず買っておいても間違いない内容だ。

色数制限が厳しかったBuildエンジンゲームに比べて、Ion Maidenは色鮮やかでかなりリッチな見た目になっている。テクスチャは丁寧に描きこまれているし、ライティングも反映される。無駄にオブジェクトの量が多くて、環境が作り込まれており、Buildエンジンゲームの特徴だった猥雑さ(褒め言葉)はしっかりと再現されていると言っていいだろう。マップも街、オフィス、研究所、地下鉄と変化に富んでおり、隠し要素も多くて探索が楽しく、単調さは感じさせない。

ゾーン(マップ)はそれぞれ繋がっており、行ったり来たりができるようになっている。強制的に道が破壊されて戻れない所もあるがその際は「まだ何個のシークレットが残っていますが先に進みますか」というメッセージも表示され、遊びやすさにも配慮されている。しかし、行ったり来たりができるが故に正しい道はどこなのかと戸惑う場面もしばしばあり、カードキー探しで迷うところもあった。

ただ、Buildエンジンゲームはどれも作り込まれているが故に迷いやすかったし、当時のゲームは隠し通路のような道を見つけさせるようなものも多かった。何回も同じところを行ったり来たりしてイライラもしたものだ。それに比べればIon Maidenの謎解き要素は簡単な方で誘導もうまくされている方だろう。イライラする前に先へ進めることができたし、遊びやすさを感じられた。

現在のバージョンで使える武器はリボルバー、マシンガン、ショットガン、グレネードの4つだ。銃撃音は心地良く弾の軌跡も表示され、敵に命中すると血しぶきが飛んでグシャッと潰れる。このへんの感触はきちんと分かって作られている。武器の威力は強く、爽快感が高い。特にグレネードは敵に当たれば即死でおまけに追尾機能付きで非常に強力だ。敵を見かけたら一旦戻って、グレネードを投げ込めば自動で敵を追尾してドカンということも可能。

敵の銃弾は目視で避けられるタイプではなく、攻撃力も高めなのできちんと物陰に隠れて仕留めていかないと厳しい。特に序盤は頻繁にリロードが必要なリボルバーしかなく、アーマーの入手もしにくく、ヘルスを削られやすい。シークレットを全部見つければかなり楽に進めるのだがそうではない場合、慎重に行かないとノーマルでも苦戦する箇所がある。

ゾーンの最後ではボスのロボットとの戦闘が用意されている。燃えるシチュエーションなのだがロボットが爆弾を射出するとフレームレートが一桁まで落ちて動作がガクガクになる。描画をOpenGLからClassicに変えると少しはマシになるがそれでもプレイに支障をきたす重さで快適とは言いがたかった。まだアーリーアクセス版なのでなんとも言えないが改善されることを期待したい。

まとめ

+当時の感覚を忠実に再現しつつ遊びやすく作られている
+爽快感の高い戦闘
+シークレット探しが楽しい
+マップが作り込まれている
-Dukeのようなセクシー要素やお笑い、Shadow Warriorのようなヘンテコさがない
-ボス戦が重い